黒桟革について

黒桟革は、姫路の坂本商店様が製作されている皮革です。

表情について

漆加工が施された凹凸が特徴です。漆が乗った凸部は色味が濃く、凹部は淡い色合いをしており、細かな濃淡が美しく広がります。

丸みを帯びた粒のひとつひとつが、光を受けて乱反射することで繊細な光沢を放ちます。

一般的に、革の凹凸やシボの表情は、金型を押し込んで模様を押し付けたり、揉み込んだりして作られます。これらの製法で作られた革は、全体的に均一な表情になりがちです。

一方、黒桟革は複雑でランダムな表情です。

繊細な色の濃淡と、漆加工された一粒一粒の凹凸が織りなす表現に感動します。

全体的に深みのある色合いですが、グラデーションが見える部位もあり、表情豊かです。ぐいっと曲げると鮮やかなグリーンが浮かび上がります(プルアップと呼ばれる、革の色が変わって見える効果)。

ブッテーロやコードバンに比べて傷が目立ちにくく、軽く引っ掻いた程度では傷がつきません。さらに、水にも強く、シミになりにくいので、気軽に扱えることも魅力の一つです。

質感について

触れた感じは、さらり・ツルリとしています。控えめな凹凸を指先で感じることができ、ブッテーロやブライドルレザーよりしなやかです。

薄いながらも、コシがあり伸びにも強く、耐久性も高い素材です。

香りについて

タンニンなめし特有の香りは控えめで、革の匂いが苦手な方にもおすすめです。