ミュージアムコードバンについて

イタリア・ロカド社が手がける「ミュージアムコードバン」は、世界中のコードバンの中でもひときわ個性的で、芸術的な表情をもつ素材です。

ここでは、その特徴や魅力についてご紹介します。

表情について

さまざまな色が混ざり合う表情です。濃淡が溶け合うことで、一枚の中に多層的な色味があり、深みのある印象を与えます。まるで絵画のようなその模様は、華美すぎることなく、静かな存在感を放ちます。

世界には様々なコードバンがありますが、ミュージアムコードバンの気品と艶やかさはトップクラスです。生産量が限られており、日本国内でも取り扱いはごく一部にとどまります。流通量が少ないため、他の人と被りにくい、特別感をお求めの方にもご満足いただけるかと思います。

透明なベールに、さまざまな濃度の色が見え隠れする、奥行きもお楽しみいただけます。

革製品に姿を変えると、魅力がさらに引き立ちます。曲面は光沢が増し、艶やかな表情を見せてくれます。

コードバン特有の密な繊維構造により、表面は非常に滑らかで、磨き込むことでまるで鏡のような光沢が生まれます。指先や光が映り込むほどで、上質さがひと目で伝わる仕上がりです。

小キズや擦りキズが存在します。シミ、色むらなどもあります。使用に伴い目立たなくなりますので、特徴としてご愛用いたけますと幸いです。

エイジング(経年変化)について

ご使用に伴い、色が濃くなるエイジングをお楽しみいただけます。

今回、ミュージアムコードバンの切れ端(グリーン)をドアノブに巻き付けて、約1年間エイジングの検証しました。

写真の左半分は、触れないようにしていた部位、右半分は毎日、手が触れる部位です。

右側は色が徐々に深まり、当初の鮮やかなグリーンが落ち着いたダークオリーブのような色合いへと変化しました。一方で、触れていない左側はほとんど変化がなく、本来の色味をとどめています。

なお、エイジングの度合いは、ご使用方法や触れる頻度、コードバンのロットによって異なる可能性があります。

質感について

ハリ・コシが強く、繊維が詰まった革です(ホーウィン社のコードバンよりも、固さがあります)。

香りについて

ホーウィン社コードバンのようなスモーキーさはなく、ブッテーロやミネルバのようなタンニンなめし革のような香りも控えめです。革独特の強い香りが控えめなので、タンニンなめし革特有の香りが苦手な方にも扱いやすい素材です。