ロシアンコードバンについて

ロシアンコードバンとは何か?

この問いに答えるため、まずは「ロシアンカーフ」をご紹介しましょう。

1786年に船舶メッタカタリナ号が沈没し、それから約200年後に積荷から発見された革がロシアンカーフです。

沈没船から引き上げられたというロマン。そして現存するロシアンカーフはわずかであることもあいまって、革の愛好家が憧れる幻の素材です。生産設備やレシピも残されていないため、オリジナルを再現することはできません。

ロシアンコードバンとは、ロシアンカーフの生産レシピを研究し、独自の製法で作られた革です。

一般的なコードバンとは特徴が異なります。

まず、ロシアンカーフらしい表情に目がいきます。一般的に、コードバンは表面を磨きあげることでスムースに仕上げています。一方、ロシアンコードバンはロシアンカーフの特徴であるダイアモンド状の模様があります。

一般的なコードバンと比べて艶は控えめです。しかしながら、凹凸が光を乱反射することで表現される光沢はロシアンコードバンだけの醍醐味といえます。

質感も国産コードバンやホーウィン社コードバンと異なります。しなやかでありながら、しっかりと弾力があります。

非常にスモーキーな香りも特徴のひとつです。ホーウィン社シェルコードバンよりもクセがあり、ベイカー社のブライドルレザーに近いと感じます。

世界中のタンナーでコードバンが作られていますが、表情、質感、香り。すべてにおいて一線を画す特別なコードバンです。