ブッテーロハッチについて
イタリア・ワルピエ社が製造するブッテーロに、格子状の型押しを施した皮革が「ブッテーロハッチ」です。
繊細でありながら重厚感のあるその表情は、ブッテーロを愛用されている方にとっても、新たな魅力に出会える素材といえるでしょう。
2024年末に流通が始まった新素材を、usflではいち早く採用し、Hand-Sewn-Limitedシリーズで国内初の製品化を実現しました。
実際に製作し、使い込んできた経験から、ブッテーロハッチの魅力と特徴をご紹介します。
表情について
ブッテーロハッチの最大の魅力は、独自の表情です。格子状のパターンは光の角度によって陰影が変化し、シンプルな構成でありながら深い表情を生み出します。
型押し加工された革は世の中にたくさんありますが、その多くは、革本来の自然な風合いや色ムラが失われています。部位に関係なく均一な表情になり、革らしさや個性が感じられにくくなってしまうのです。
一方、ブッテーロハッチはベースとなるブッテーロの美しい発色と濃淡を残しつつ、型押しの陰影が加わることで、上品かつ個性的な存在感を放ちます。
一見すると均一に見えるパターンですが、部位によって濃淡差があるため、わずかに表情の違いが生まれます。手にしたときに繊細な個性がふと目に留まる──そんな愉しみもブッテーロハッチの醍醐味です。
質感について
表面の凹凸は極めて繊細で、荒々しさがなく、触れるとサラリとした手触りです。微差な凹凸により触れる設置面積も少なくなるため、ブッテーロと比べてもよりさらりとした手触りに感じます。
ブッテーロらしいしっかりとしたハリも、しっかりと感じられます。
固く、しなやかなため、miniのような丸みを帯びた立体物でも、流線フォルムを保ちながら、手に馴染む仕上がりになります(Hand-Sewn-Limitedでは、厚みを1mm未満に薄くしたうえで、裏面にゴートレザーを貼り合わせることで、しなやかさと堅牢さを両立させた仕様としています)。